“怒り”の感情は、人間関係の悪化やハラスメント、さらに暴力や殺人などの事件に発展することもあります。そのために「良くない感情」であると考えられていますが、“うれしい”や“楽しい”と同じように、感じて当たり前の感情なのです。
そして、“怒り”は他の感情と同じくしっかりと意味を持っています。『安心できないとき』『安全でないとき』に“不安”になるように、『自分の思い通りにいっていないとき』に“怒り”の感情が湧き上がってきます。
例えば、他人に迷惑をかけてはいけない、と思っている人の多くが、電車の中で騒いでいる人に対してイライラしたことがあるでしょう。
ムカッときたり、イライラしているときは、何か自分のルールに反していることが起きている、とこころが知らせてくれているのかもしれません。
“怒り”の感情によって『自分の思い通りにいっていない』と、せっかくこころが知らせてくれても、“怒り”は大きくて強いために対処をすることは難しいです。
では、対処できずに放っておくと、どんなことが起きるでしょうか。
感情的になり、相手をやり込めたり傷つけるようなことを言ってしまうなど、人間関係を壊すことがあるでしょう。イライラして仕事が手につかず、冷静な判断ができなかったり些細なミスをしてしまうなど、仕事にも支障がでるかもしれません。
さらに、ため込むことにより激しい怒りに変わり、はっきりと言えない自分を責めたり、一気に爆発して(ブチ切れて)しまうと取り返しがつかない事態になることもあります。また、筋肉は緊張し、心拍も血圧も上がるため、身体にも悪い影響を及ぼします。
以上のように、対処できずに放っておくと社会的・精神的・身体的に様々な支障が出てしまうのです。
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